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中国での監視カメラについて

column

2017年06月21日

利墨(上海)商務信息咨詢有限公司 副総経理 河原吉虎

中国でテレビニュースを見ていて驚くのは、監視カメラ動画の豊富な点と、そのオープン性です。中国ではカメラが街じゅうの様々な場所に設置され、また事件・事故・犯罪の種類を問わず、その映像をTV放送でもフルに公開しています。
今回は世界一の監視カメラ大国である中国の監視カメラについて、その市場やカメラメーカー、動画の使われ方を紹介します。

中国の監視カメラ市場規模

世界的にはイギリスが監視カメラ大国として有名ですが、既に監視カメラの数では中国が世界一です。
監視カメラ(アナログカメラとネットワークカメラ(IPデジタルカメラ)の合計)の世界年間出荷台数9,600万台の内、実に全体の79%の7,560万台が中国向けというデータがあります。(2014年データ ※1)
中国では監視カメラの設置とそのコントロールが国家政策の1つとして進められています。また、TVでも監視カメラで撮影された動画を惜し気もなく公開しています。その例をご紹介します。

中国のTVや動画サイトでの監視カメラ映像

<TVでの監視カメラ映像の使用例>

鉄道内でのスリの様子です。狙いを定めるところから丁寧に報道しています。犯罪者の顔も加工処理も施さず全国放送しています。

<TVでの監視カメラ映像の使用例>

左が繁華街の広場での置き引き、右が駅構内でのグループでのスリの様子です。グループの連携の様子や、衣服を着替えてばれないようにする様子まで、警察は把握していますよ、とばかりに放送しています。
このように空港や地下鉄駅など公共性の高い場所はもちろん、ショッピングセンターや中小飲食店、交差点、路地にいたるまで様々な場所にカメラが設置され、監視しています。
世界一監視されていることに関して、中国人民の方がプライバシーの侵害だと批判する声はあまり聞きません。これは監視カメラにより犯罪の検挙率が上がることと犯罪の抑止効果があることを認めているものと思います。
また、中国人民の皆さんがスマホで撮影した動画を動画サイトにアップしたり、それをTVニュースで取り上げたり、というのも頻繁に行われています。

<TVでの監視カメラ映像の使用例>

こちらは交通事故の映像です。
この画像の例ではないですが、炎上する車から運転手を救い出すようなショッキングな映像でもTVで放送されたりしています。
車両交通については警察でも監視システムを整備しており、スピード違反はもちろん、右左折時に歩行者を優先しない違反やバス専用レーンを走行する違反、クラクションの使用違反に至るまで様々な交通違反を監視・記録し摘発しています。

監視カメラのベンダーについて

監視カメラの世界市場シェアを紹介します。最大手はヨーロッパのアクシス・コミュニケーションズ社(Axis Communications)で20.0%、世界2位と3位がともに中国企業でハイクビジョン社(HIKVISION)の12.9%、ダーファ社(Dahua)の9.5%となります。4位は日本のパナソニック社で8.4%となります。(2014年 ネットワークカメラ 金額ベース ※1)
アクシス社については日本のキヤノンが監視カメラ市場を有望な成長市場と捉えて2015年に買収しており、今ではキヤノンの収益に貢献しています。
今回は中国企業の1社を紹介します。

ハイクビジョン HIKVISION http://www.hikvision.com/

「杭州海康威视数字技术有限公司」2001年に創業した杭州の中国企業です。深セン株式市場に上場しており、カメラの製造販売だけでなく動画の加工・録画・ネットワークまで含めた監視ソリューションを提供する会社です。売上規模で102.56 億元(日本円換算1,692億円 ※1元=16.5円で計算 2013年度報告より)です。
この会社のホームページにも習近平主席が視察する様子がアップされているように中国を代表する企業のようです。

交通警察スマホアプリ

最後に、密告制度といいますか中国人民の方が交通違反行為の現場を動画撮影して警察に報告するスマホアプリを紹介します。
「上海交警APP」
違法行為の報告機能の他には、自動車事故処理機能、信号の故障報告機能(中国では割と信号故障を多く見かけます。)などがあります。最近では交通違反の罰金が支払える機能も追加されました。
私もアプリをダウンロードして違法マナーの車の報告を試みましたが、通報するには中国の身分証での実名登録が必要のようです。

<スマホアプリ画面>

中国にお越しの際は、ぜひ屋外や施設内に設置されているカメラに注目してみてください。

 ※1 テクノ・システム・リサーチ 調べ

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