危ないUSB
重たいファイルをやり取りするのに便利なUSBメモリですが、ウイルス感染をはじめとするセキュリティ攻撃の手段としても使われており、使用前にはウイルスチェックを行うなどの注意が必要です。なかにはUSBポートに挿した瞬間にPCを破壊するものもあります。ちなみにUSBメモリは和製英語で、英語では「USBフラッシュドライブ」と呼ばれます。
USBとは
容量の大きいファイルをやり取りする際、かつては何枚ものフロッピーディスクにファイルを分割して保存し、ディスクを入れ替えながら読み込んでいました。しかし、USBメモリの登場によってこうした光景は見られなくなりました。USBが登場したのは1996年のことで、今ではプリンターをはじめほとんどの周辺機器で使える汎用インターフェース規格となっています。それ以前は、プリンター専用のインターフェースが必要になるなど周辺機器ごとに規格が異なっており、PCには多種多様な接続ポートが存在していました。
エポックメイキングとなったのは、1998年に登場したiMacです。ディスプレイ一体型のデスクトップPCで、半透明のおしゃれなデザインが特徴でした。ライムやブルーベリーなど多彩なカラーのiMacがPC売り場に並び、インテリアとしても映える新しい需要を生み出しました。特に衝撃を与えたのは、iMacからフロッピーディスクドライブが廃止されたことです。さらに周辺機器ごとの専用ポートも廃止され、USBへ一本化されました。これにより周辺機器メーカーはiMac向けのUSB対応を余儀なくされ、USBの一気な普及につながりました。
危ないUSBメモリ
便利なUSBメモリですが、陸上自衛隊が使用していたUSBメモリがウイルスに感染していたことが判明し、マスコミで大きく報道されました。USBメモリを使う前にウイルス感染の有無を確認する手続きが守られていなかったとされています。
特殊なハッキング技術を使わず、人間の心理的な隙や行動のミスにつけ込んでパスワードや機密情報を盗み出す攻撃手法を「ソーシャルエンジニアリング」と呼びます。例えば、オフィスの廊下にUSBメモリが落ちていると、「誰の落とし物だろう」と確認するためにPCへ挿してしまい、結果としてウイルスに感染してしまいます。セキュリティが厳しく侵入が難しい会社であっても、社員用駐車場に落としておけば、かなりの確率で同様の結果になります。アメリカでは、住宅街の郵便ポストに封筒に入ったUSBメモリが相次いで投函され、中にウイルスが入っていたとして注意喚起がなされています。
USBメモリをPCに挿すと、パソコンを遠隔監視するソフトが自動的にインストールされ、入力したIDやパスワードなどが筒抜けになってしまうことがあります。なかには、インターネットなどのネットワークから隔離されたPCからデータを無線で盗み出すために開発された「USBee」というウイルスも存在します。USBeeに感染してもハードウェア自体に影響は出ませんが、パソコンに接続されたUSBデバイスそのものが発信機となります。ミツバチのようにさまざまな場所からデータを集めることから「USBee」と名付けられました。
USBに挿すだけでPCを破壊
また、USBポートに挿すだけでPCを壊してしまうものもあります。「USB Killer」と呼ばれる製品で、見た目は一般的なUSBメモリですが内部にデータを保存する機能はありません。代わりに強力なコンデンサが搭載されており、USBポートに挿すと高電圧を流してパソコンを物理的に破壊します。
ウイルスではありませんが、格安のUSBメモリの中にはパッケージに表示されている容量と実際の容量が異なる「容量詐欺」の製品もあります。
最近では、安全性が確認されていない私物のUSBメモリを接続することによる社内ネットワーク全体へのウイルス拡大や、社外秘データの持ち出しを防ぐため、PCにUSBメモリを挿し込めないよう対策(物理的な封鎖や機能制限)を行っている企業が増えています。
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