東京2020オリンピックは2021年の8月8日に閉会式が行われ17日間の熱戦の幕が閉じました。終わってみれば日本は過去最高のメダル数を獲得し、また開催中に大きな混乱もなく一定の成功を収めたといえるのではないでしょうか。
一方中国でも、2008年の自国開催のオリンピックに次ぐメダル数を獲得し、また陸上の100mで蘇選手がアジア新記録を樹立するなど、スポーツ強国としての力をみせました。今回はそのスポーツ強国を作り出している中国のスポーツ教育についてお話ししたいと思います。
中国でのスポーツのエリート教育について
オリンピック選抜までの一般的な流れは大まかに以下になります。
※あくまで一般的であり例外もあります。
- 小学生、中学生から競技用の専門学校に通う
- 地方大会で良い成績をあげる
- 市・省代表チームに選抜され全国大会で良い成績をあげる
- 国家代表チームに選抜されそのトップがオリンピックに出場できる
日本と比較するとより幼少期にスポーツの専門学校に通い、才能を精査し優秀な人を選抜する仕組みがあります。
※選抜の仕組みがしっかりとしているのは、卓球や体操など一部の強い競技に限られるとも言われていますが。
日本と中国のスポーツ教育の違いについて
「中日児童青少年の体質健康比較研究成果公報」によると、身長などの体格面のデータは中国のほうが優れていたが、スピードやパワーなど体力面は日本のほうが優れているそうです。
理由としては、中国では受験を勝ち抜くために、学校、両親が子供の勉強を重視しているためです。その影響で宿題の量が多く、日本のような部活動(または放課後のスポーツ)の時間がありません。また、近年は若い世代でスマホゲームが流行しており、スポーツよりゲームに熱中している人が多いことも影響しています。
まだまだ裾野が十分とは言えない中国のスポーツ教育ですが、それでも東京オリンピックではメダル数が全世界で2位の実績を残しています。様々な面で目覚ましい発展を遂げている中国ですが、中国のスポーツについても引き続き注視していきたいと思います。