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2022年度 中国トレンドまとめ

column

2023年02月22日

利墨(上海)商务信息咨询有限公司  山田 望由

中国では旧正月が終わり、新しい年を迎えました。 2022年度の中国は、北京オリンピックや、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンなどの出来事がありました。今回は、そんな2022年度の中国の出来事、トレンドを切り取ってご紹介しようと思います。

 

2022年度 中国のイベント(抜粋)

1.北京オリンピック

2022年2月4日から20日まで冬季オリンピック、3月4日から3月13日まで冬季パラリンピックが北京で開催されました。

中国代表は金メダル9個、銀メダル4個、銅メダル2個と活躍しました。中国国内では冬季オリンピックをきっかけに、ウインタースポーツへの関心が高まり、中国大手ECサイトのアリババの発表によると、スキー用品の販売は前年同期の180%増、アイススポーツ用品は300%増となり、関心が高まったことがうかがえます。


参照: 凤凰网-体育-冬奥会之后 中国冰雪体育产业迎来黄金时代 http://sports.ifeng.com/c/8E5bJ6Xw1bK

また、この北京オリンピックで一躍人気となったマスコット「冰墩墩(ビン・ドゥンドゥン)」のグッズは入手困難となり、購入のために7時間並ぶ、高額転売、模造品も出回りました。冰墩墩のぬいぐるみの販売は2022年5月時点で520万個に達し、北京オリンピックのライセンス商品売上の内69%を占めました。

参照: 国家体育总局-国际奥委会发布《北京冬奥会市场营销报告》——全球观众超20亿 “冰墩墩”最抢手 https://www.sport.gov.cn/n20001280/n20067608/n20067635/c24849704/content.html


参照: 人民網日本語版-「ビン・ドゥンドゥン」ができるまで http://j.people.com.cn/n3/2022/0208/c206603-9954720.html    

2.党大会

2022年10月16日から22日まで中国共産党全国代表大会(党大会)が開催されました。1921年から始まり、1980年代以降、5年に1度開催される政策方針や人事等の党の重要事項を決める重要な会議が行われます。

党大会については、当社の前回コラム「全人代と何が違う?党大会が中国で重要なワケ」にてわかりやすく紹介しておりますので、是非ご参照ください。

3.新型コロナウイルス感染症対策

2022年度の中国はゼロコロナ政策を推し進め、建物や公共交通機関利用時にPCR検査結果を提示する等、行動制限を行いました。2022年4月には上海もロックダウンとなりましたが、年末に一転、ウィズコロナへの方針転換を行いました。

ウィズコロナへの転換で感染者が急増したことから、ゼロコロナ対策では、やはり感染を抑える、広げない取り組みはしっかりと行われていたことがわかります。 しかしながら、経済への影響は大きく、厳しい行動制限が布かれる中、外食の機会が減った飲食店においては、2022年では1年間に50万店以上が破綻しました。

参照:腾讯新闻-2022年,51.9万家餐饮企业消失
https://new.qq.com/rain/a/20230111A06CX000

2022年度 中国のヒット商品、ゲーム

1.ECサイト売れ行き商品

2022年12月、中国大手ECサイトのアリババは、2022年度のトップ10の商品を発表しました。


参照: 光明网-阿里国际站发布2022年度十大商品:中国新能源继续领跑全球
https://it.gmw.cn/2022-12/05/content_36208906.htm

また、中国大手ECサイトのタオバオでも、2022年のトップ10商品を発表しています。

 


参照: 至诚财经网-商业资讯-淘宝公布2022年度十大宝贝 哪些产品最受消费者喜欢?
http://www.zhicheng.com/syrw/n/459059.html


※上記より、抜粋し筆者翻訳

アリババは業者向けの商品が多いため、事業用設備等の商品も含まれています。一方タオバオは個人向け商品が多いため、生活雑貨等のランクインが目立ちます。

どちらにもランクインしている電気毛布は、主にヨーロッパでの需要が高まったことによります。ヨーロッパのエネルギー不足から、安くて質の良い中国の暖房器具の売れ行きが、2022年度後半にかけて伸長しました。

また、2022年は中国ではキャンプブームが起き、それら関連商品もランクインしました。こちらも以前、当社のコラム「中国で今熱い!キャンプに対する注目度」で紹介させて頂いておりますので、是非ご参照ください。

   

2.Wechatミニアプリ「羊了个羊」


ゲーム画像 : 筆者APPスクリーンショット

同じ柄のカードを3枚タップして消していくという非常にシンプルなゲームです。しかしながら難易度が高くクリア率は0.01%と言われています。夜中まではまる人が続出し、一時サーバーがダウンする程人気でした。

 

2022年度 中国の流行語大賞

2022年12月、中国の2022年流行語が発表されました。その中からをいくつかご紹介します。

 

中国式現代化…2022年の党大会で提唱されたスローガン。中国の特色を持ち、中国国民が豊かになる「共同富裕」の実現を目指す独自の発展モデル。

踔厲奮発、勇毅前行…訳すと「奮起し闘志を燃やし、雄々しく前進」という意味。こちらも2022年党大会のスローガン。

天花板…最高点、頂点という意味。天花板は、屋内の彫刻や塗装がされた天井のこと。比喩してその分野の最高値ということ。

雪糕刺客…夏、アイスクリームケースの中に紛れた高級なアイスクリームのこと。明確に価格表示されておらず、他のアイスクリームと一緒に積み重なっているため手に取ってしまい、会計の時に値段がわかるという事象。アイスクリームの刺客と呼ばれた。

大白…白い防護服を着た人のこと。新型コロナウイルス感染症の最前線に立っていた医療従事者やボランティアの方々。2022年の象徴的存在。

 

党大会関連の言葉や、コロナ、物価高を象徴するような言葉が選ばれました。他にも、新しい技術や発展の見込がある物事意味する「新赛道」、精神的な消耗を意味する「精神内耗」といった言葉、合わせて10個が発表されました。

参照: 澎湃新闻-2022年十大流行语发布
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_21322139

さいごに

中国の2022年は4年に一度の冬季オリンピック、5年に一度の党大会と、数年に一度開催される出来事が重なった1年でした。また、新型コロナウイルスの対策を方向転換する等、変化の年でもありました。

そんな中、冬季オリンピックの影響を受けウインタースポーツが人気になる、新型コロナウイルス対策で外出が難しくなった中、密集を避けるためキャンプ人気に火が付くといった、急激に盛り上がる業界もありました。しかしながら、中国では情勢の移り変わりが速く、流行り廃りも早いです。爆発的に人気だったものが1ヵ月後に見なくなったということもあります。これらの業界が一時の盛り上がりだけでなく、継続的に発展することが、今後の課題と言えそうです。

2022年の流行が、2023年にどう変わっていくのか注視するとともに、2023年にはどのような業界が伸長するのか、きっかけとなる新しい中国トレンド情報をピックアップできるよう情報収集し、発信できるよう努めて参ります。

   
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