0120-70-4515
電話受付:平日 10:00〜17:00
(土・日・祝日休)
column
2026年04月08日(最終更新:2026年04月16日)
水谷IT支援事務所代表 水谷哲也
電車内で読書をする人の姿はめっきり減りましたが、なかでも雑誌を広げている人はほとんど見かけなくなりました。出版不況が叫ばれて久しいなか、1993年に創刊した雑誌『Mac Fan』が2026年5月号をもって休刊(終了)します。これにより、ついに最後のMac専門誌が店頭から姿を消すことになります。PCからスマートフォンへと個人のデバイス中心が移り変わるなか、PC雑誌そのものが大きな転換期を迎えています。
1976年4月1日、カリフォルニア州のガレージで創業したアップル社は、2026年4月1日に創業50周年を迎えました。一時期は経営危機により倒産さえ危惧された同社ですが、今やGAFAの一角として世界的な隆盛を誇っています。アップルといえば1984年に登場した「Macintosh(マック)」が代名詞であり、今なお進化を続けています。しかし、現在の売上の過半数はiPhoneが占めており、Macの売上比率は全体の1割ほどにまで変化しました。
かつて、MacとWindowsは激しいシェア争いを繰り広げてきました。Windowsがビジネスマンを中心に70%以上のシェアを握る一方で、Macはクリエイターや教育、印刷分野で熱狂的な支持を集めました。当時のユーザーは「エバンジェリスト(伝道者)」として周囲にその魅力を説いたものです。Macはユーザーフレンドリーな操作性に定評がありましたが、当時はネットワーク接続にモデムの高度な知識が必要とされるなど、現在よりも専門的な情報が求められた時代でした。そうした背景から、専門雑誌はユーザーにとって欠かせない情報源となっていたのです。
そうした歴史のなかで、老舗雑誌『マックファン(Mac Fan)』が2026年5月号で幕を閉じるというニュースは、一つの時代の終わりを象徴しています。1993年4月の創刊から33年。同誌が産声を上げた1993年は「Windows 95」が発売される前であり、パソコンがまだ一部の熱心な愛好家のためのものだった時代です。
アップルからは「Macintosh Color Classic」やカラー液晶搭載の「PowerBook」が登場し、ようやく画面が白黒からカラーへと移行し始めた頃でした。かつては『MAC LIFE』(1987年創刊)や『Mac Power』(1990年創刊)といったライバル誌が、しのぎを削っていましたが、これらは既に休刊しています。今回の『Mac Fan』の終了により、国内のMac専門誌はすべて姿を消すことになります。
2025年には、書籍と雑誌の販売金額が1兆円の大台を割り込み、全盛期の4割以下にまで落ち込みました。書店数も全盛期の約2万店から約1万店へと半減し、多くの媒体が紙からウェブへと主戦場を移しています。
かつて1980年代には『I/O』『マイコン』『ASCII』『RAM』が4大パソコン誌として君臨していましたが、現在、一般の書店で目にできるのは1996年創刊の『日経PC21』など、ごくわずかです。『日経パソコン』などもありますが、読者への直接配送(直販)スタイルが主流となっています。
2025年の世界市場におけるPC年間出荷台数が3億台弱であるのに対し、スマートフォンは12億5千万台と圧倒的な差をつけています。日本国内も同様の傾向にあり、スマートフォンの普及に合わせて誌面の内容も「スマートフォン完全ガイド」といったムック本が中心となりました。
2026年の今、まさにスマホ誕生の年(2007年)に生まれた世代が大学1年生として社会への第一歩を踏み出しています。4年後には、真の「スマホ・ネイティブ世代」が社会の中心を担うことになります。AIを使いこなすことが当然の彼らによって、社会はより劇的な変化を遂げていくことでしょう。
関連コラム