0120-70-4515
電話受付:平日 10:00〜17:00
(土・日・祝日休)
column
2026年03月11日
水谷IT支援事務所代表 水谷哲也
30周年を迎えるソネットが新しいCMを放映していますが、そこには懐かしいピンク色のテディベア「モモ」が登場しています。ソネットはソニーネットワークコミュニケーションズが運営するプロバイダで、1996年にサービスを開始しました。
1995年11月23日「勤労感謝の日」の午前0時にウィンドウズ95が発売され、秋葉原や日本橋(大阪)、大須(名古屋)など、日本各地の家電街で盛大な深夜カウントダウンイベントが開催されました。OSを購入するために深夜の行列ができるという、今では考えられない光景ですが、当時はテレビ中継も行われるほどの盛り上がりを見せました。それまでのパソコンには「マニアのもの」というイメージがありましたが、ウィンドウズ95の登場によって操作性が飛躍的に向上し、家庭への普及が一気に加速したのです。ちょうどインターネットが一般に普及しはじめた頃です。”ウィンドウズ95を買えば、インターネットでホームページを見られ、メールができるらしい”という印象が日本中に拡がります。
当時の環境でインターネットに接続するには、まずモデムを購入し、パソコンと固定電話を回線でつなぐ必要がありました。付属のマニュアルを見ながらコマンドを入力して、ようやく接続できるという時代です。その接続先の一つがソネットでした。現在のような定額制料金ではなく従量制料金だったため、いかに接続時間を短く抑えるかが肝心でした。
ソネットCMに登場するピンク色のモモは、もともと「ポストペット(PostPet)」というメールソフトのキャラクターです。SNSがない当時、主な連絡手段はポケベルかメールでした。2026年3月にサービス終了を迎えるNTTドコモの「iモード」が登場したのが1999年ですから、まだ「ガラケーでのメール」も一般的ではない頃の話です。
ポストペットはメールソフトでありながら、非常に高い癒やし要素を持っていました。今も公式サイトには「むかしむかし、ペットが手紙を運んでいた時代があったそうな……」という言葉が掲げられています。現在はソニーグループの感動を届ける「感動モモ」として活動しています。
ポストペットを立ち上げると、画面にモモの部屋が現れます。メールを書いて送信ボタンを押すと、部屋の横にあるポストに手紙が表示され、モモがそれを大事そうに抱えて「お使いに行ってきます」とドアから出かけていきます。一度出かけると、相手の既読・未読状態によってはしばらく帰ってこないこともあり、ユーザーは気長に帰りを待つことになります。帰宅したモモはお腹を空かせているため、おやつをあげるなどのお世話も欠かせませんでした。
ポストペットによるメール送信には、相手も同じソフトを使っている必要があるという制約もありました。モモが戻るまで次のメールが出せない時は、プロの郵便屋さんという位置づけの「ポストマン」に託します。ポストマンは一般的なメールソフトですので同報メールや添付ファイルを送ることも可能でした。
モモの部屋を眺めていると、ときおり他のユーザーが送り出したペットが部屋を訪ねてくることもありました。「ここポカポカで気持ちいいや」といったつぶやきは、誰かがペットに託して送ったメールが届いた証拠です。自分のペットが配達先でどのような扱いを受けたかは、「ひみつ日記」で確認できました。配達を繰り返して汚れたペットを洗ってあげるなど、育成ゲームのような要素もあり、「たまごっち」にも似た楽しさがありました。お世話を怠ると、ペットが「家出」をしたり「お別れ」になったりすることもありました。
このソフトは、開発者が「部屋にテディベアが訪ねてきて、知り合いの女の子からのメールを届けてくれる」という夢を見たことから生まれたそうです。
関連コラム
ITコラム一世を風靡したADSLサービスが終了